BTOゲーミングPCのカスタマイズ画面で、もう1時間以上フリーズしてないか?
CPU、メモリ、ストレージ、電源、ケースファン、CPUクーラー、無線LAN、OS、保証……数十項目のチェックボックスとプルダウンが画面いっぱいに並んでいて、どれをいじればいいのか、どれを放置していいのか、まったくわからない。マウスカーソルが「カスタマイズする」と「カートに入れる」の間を行ったり来たりしている。気づけば購入決断は3週間止まったまま、Apex Legendsのフレンド募集の通知だけが溜まっていく。
その気持ち、痛いほどわかる。俺も昔は同じだった。だから先に結論を言わせてくれ。
BTOゲーミングPCはカスタマイズしないで、そのまま買っていい。むしろ初心者にとっては、それが一番後悔の少ない買い方だ。
この記事では「BTOは標準構成のままで十分」という結論と、その代わり電源・保証・OSの3項目だけは確認しろという最低ラインを、後輩であるお前にぶっちゃけて渡す。読み終わる頃には、カスタマイズ画面を閉じて、注文ボタンを迷わず押せる状態になっているはずだ。
BTOゲーミングPCはカスタマイズしないでそのまま買って正解だ
もう一度はっきり書く。BTOゲーミングPCは、カスタマイズせず標準構成のまま買って正解だ。これは「初心者には標準で十分」という上から目線の話じゃない。15年自作の沼に浸かって痛い目を見続けた俺自身が、「結局、標準構成が一番バランス取れていた」という結論にたどり着いたという話だ。
BTOメーカーは慈善事業じゃない。標準構成は適当に組んでいるわけじゃなくて、「この価格帯の客が一番満足する組み合わせ」を売上データと故障率データから逆算して、毎シーズン微調整している。つまり、お前がカスタマイズ画面で1時間悩んで出す結論より、メーカーの中の人が膨大なデータをもとに出した「標準構成」の方が、たいていは正しい。

でもさ〜、せっかくBTOで買うんだから、カスタマイズしないと損じゃね?無料で選べるのに!



その「無料で選べるからやらないと損」って発想、まさにメーカーが一番カモにしやすいパターンな。「触れるから触る」じゃなくて「必要だから触る」が正解だ。
そもそも標準構成は「妥協」じゃない、メーカーが一番売りたい構成だ
多くの初心者が誤解しているのが、ここだ。「標準構成=コストカットされた妥協の塊」と思い込んでいる。だが現実は逆だ。BTOメーカーにとって標準構成は、こういう存在だ。
- 毎月一番出荷数が多い、つまり最も検証台数が多い構成
- 組み立てラインの工員が一番慣れているから、配線・組み立て品質が安定している
- パーツの相性問題が出ないように、何度も修正を繰り返したバランス型
- サポート部隊が一番慣れているから、トラブル時の対応も早い
- 在庫が常に確保されているから、即納で届く
カスタマイズで構成をいじった瞬間、上の「メーカーが慣れている世界」から外れる。組み立てラインで担当工員がいつもと違う手順を踏み、相性確認は減り、ライン外の倉庫から取ってきたパーツを差し込み、納期は1〜3週間延びる。「カスタマイズ=品質向上」じゃない。むしろ「メーカーの最適レーンから降りて、リスクを背負う」行為だ。
標準構成は、メーカーが「一番売りたい」「一番自信を持って組める」「一番故障率が低い」構成。標準で買う=メーカーの一番おいしい部分を引き当てる、と言い換えてもいい。
「いじる=正義」は自作勢の世界観。BTO初心者には別ルールがある
SNSを見ていると、自作勢が「BTOの標準構成とかダサい」「カスタマイズしないやつはニワカ」みたいなマウントを取っているのを見かけることがある。あれを真に受けて萎縮するな。あいつらの世界観と、お前の用途は、そもそも別の競技だ。



ガチ勢の友達に「標準のままとか恥ずかしいぞ」って煽られたんだけど…



あいつらの遊び場は「組むこと自体」が娯楽なんだ。お前の遊び場は「組んだ後のゲーム」だろ?目的が違う相手のルールに従う必要なんか1ミリもない。
自作勢にとってPCは「組む」ためのおもちゃで、毎回違うパーツを試すこと自体がエンタメだ。だがお前が買おうとしているのは「ゲームを快適に動かす道具」だ。道具は、シンプルで、壊れにくくて、すぐ届くのが一番偉い。「カスタマイズすれば偉い」という競技に勝手に巻き込まれるな。
カスタマイズしないで買うことの5つのメリット
「いじらないと損」じゃない。むしろ「いじらないからこそ得られる」メリットが、初心者には5つある。順番に紹介していく。
① 即納で届く(カスタマイズすると2〜3週間待つ)
BTOの即納モデル、あれは何かというと「標準構成で在庫を抱えている=注文が入った瞬間に出荷できる構成」のことだ。つまり「即納モデル」と「標準構成のまま買う」は、ほぼイコールの関係にある。
カスタマイズで1項目でもいじった瞬間、PCは即納倉庫から出ていって、ゼロから組み立てラインに並び直す。ここで2〜3週間の納期が乗る。フレンドが「今日Apex行ける?」と聞いてくる。お前は「PC、3週間後に来るんだ……」と答える。3週間。Apex新シーズンが終わる時間だ。
標準のまま注文すれば、運が良ければ翌日、遅くても3〜5日で届く。納期の速さは、標準構成を選んだ人間にだけ与えられる特権だ。
② 予算が固定される(無限に積み上がる課金沼を回避)
カスタマイズ画面の最大の罠が、これだ。「+3,300円でメモリ32GB」「+5,500円でSSD 1TB」「+8,800円で電源750W」「+11,000円で水冷化」……ひとつひとつは小さい数字に見えるんだ。だがチェックを入れていくと、画面右上の合計金額が、まるで地獄のリボ払いの請求書みたいに膨らんでいく。
俺は最初の自作PCで、これと完全に同じことをやった。「+3,000円でちょっと良くなるなら……」を10回繰り返したら、最終的に予算より6万オーバー。クレジットカードのリボ払いで分割した結果、半年後に明細を見て頭を抱えた。カスタマイズ画面は、人間の「ちょっとくらいなら」という弱さを最大限利用するように設計されている。そういう構造のものに、初心者が素手で勝てるわけがない。
標準のまま買えば、表示価格=支払額。シンプルで、嘘がない。財布の防衛戦においては、これが最強だ。
③ 検証済み構成だから初期不良リスクが低い
これはあまり語られないが、自作勢にとっては常識の話。パーツの組み合わせを変えると、相性問題が必ず一定の確率で発生する。メモリとマザーボードの相性、電源とグラボの相性、CPUクーラーとケースのクリアランス問題、無線LANとマザーチップセットの相性……あげればきりがない。
標準構成は、メーカーがその組み合わせで何百〜何千台とすでに出荷していて、相性問題のパターンが洗い出されている状態。初期不良率が低く、トラブル時のサポート対応も早いのは、標準構成だけの特権だ。カスタマイズで電源を変えた瞬間、その個別事例にメーカー側のノウハウがどこまで蓄積されているかは未知数になる。
④ 決断疲れから解放される
これは、隠れた最大のメリットだ。心理学では「決断疲れ(Decision Fatigue)」と呼ばれる現象がある。人間は1日に下せる質の高い決断の回数に上限があって、それを超えると判断力がガクンと落ちる。
BTOのカスタマイズ画面は、この決断疲れ製造機だ。CPUの選択肢、CPUクーラーの選択肢、メモリ容量、メモリ枚数、SSD容量、SSDの種類、HDDの追加、ケースファンの数、電源容量、電源のグレード、無線LANの有無、OSの種類、Officeの有無、保証期間、サポート内容……数えるのもバカらしい数の決断を、購入前の数時間で連続で迫られる。
俺はこの状態を「分析麻痺」と呼んでる。情報を集めれば集めるほど、決断が遅くなる現象だ。気づけば3週間、購入を決められない。標準のまま買う=この決断地獄をワンクリックで終わらせる。「もう全部メーカーに任せた」と腹をくくる勇気が、ここで節約できる時間と精神力は、価格表に表れない隠れた価値だ。
⑤ 不満が出てから増設すればいい(後出しジャンケン戦略)
そして最後の保険。BTOの標準構成で「足りない」と感じる項目のほとんどは、後から自分で増設・換装できる。
- メモリ16GB → 32GB へは、後から1万円台のメモリを買って差し込むだけ
- SSD 500GB → 1TB or 2TB は、追加スロットに増設すればOK
- 外付けHDD・SSDで容量を足す手段もある
- ケースファンが心細ければ、夏前に1,500円のファンを追加すれば済む
「今、カスタマイズで全部盛らないと一生足りないまま」というのは幻想だ。実際にゲームを始めて、半年〜1年使い込んでから「ここが足りない」と判明した部分だけ、ピンポイントで強化する。これを「後出しジャンケン戦略」と俺は呼んでいる。買う前の不安で全部盛りするより、はるかにコスパがいい。



つまり、最初は標準で買っておいて、足りなくなった項目だけ後で足すって考え方ですね。それなら確かに、買う時の不安が減ります。



そういうこと。「今すぐ全部完璧にしないと」って思考が一番危ない。完璧主義は財布を空にする。
カスタマイズで散財した男が語る「いじらなくていい理由」
ここから先は、俺の恥ずかしい失敗談を3つ並べる。「カスタマイズすればするほど偉い」と信じ込んでいた20代の俺が、どんなふうに地獄を見たかの記録だ。後輩にこの道は歩んでほしくないから、惜しまず晒す。
俺は最初の自作PCで電源容量を盛りすぎて1万円捨てた
初めて自作した時、ネットで「電源は将来を見越して大容量にしろ」と書いてあるのを見て、迷わず850Wの電源を選んだ。当時のグラボはGTX 970クラス。実際の最大消費電力は、PC全体でも300W前後。850Wの電源は、半分以下の負荷で動き続けることになる。
結果、何が起きたか。電源は最も効率の良い負荷帯(だいたい50%前後)から外れて動き続け、変換ロスが余分に発生し、電気代も微妙に高くなる。そして何より、550Wで足りるところに850Wを選んだ差額1万円。これは完全に、「いじったから損した」だ。
「念のため大きく」のカスタマイズは、たいてい1万〜2万のドブ捨て。BTOの標準電源は、その機種のGPU・CPUに合わせて適切な容量が選ばれている。標準で足りているなら、そのままが一番賢い。
水冷に手を出して15万円水没させた話
「やっぱカスタマイズの華は水冷だろ」と思って、簡易水冷から本格水冷に手を出した時期がある。チューブ、リザーバー、ポンプ、ラジエーター、クーラント液。組み上げて電源を入れた、その2週間後の深夜2時。
シーンとした部屋に、ポタッ、ポタッ、と水滴が落ちる音が聞こえてきた。慌てて電源を切った時には、もう遅かった。クーラントがマザーボードのVRM周辺に流れ込み、グラボのバックプレートにも水が回っていた。RTX 2080とZ390マザボ、合わせて15万が、ものの数分で死んだ。
あの夜、無音の部屋に響いたポンプの「ジー」という音と、水滴が床に落ちる音は、今でも夢に出てくる。「カスタマイズで攻めれば攻めるほど偉い」と思っていた俺の鼻っ柱が、完全にへし折れた瞬間だった。
BTOの標準は、空冷か簡易水冷。理由は単純で、「壊れにくく、トラブった時に直しやすい」からだ。初心者に水冷をおすすめしてくる記事があったら、そいつのことは信用するな。少なくとも、俺の15万を弁償してから言ってくれ。
BTOで30万カスタマイズしたら配線がぐちゃぐちゃで熱暴走した
これは別のメーカーで、フルカスタマイズで30万のBTO PCを発注した時の話だ。「全部最上位を選べば最強」の発想で、CPUクーラー、ケースファン、電源、ストレージ……ほぼ全項目をいじった。
3週間後に届いた箱を開けて、サイドパネルを外した瞬間、息が止まった。ケーブルが束ねられていない。裏配線エリアに無造作にぶら下がっているケーブル。ファンとケーブルが干渉して、ファンの回転が物理的に妨げられている。エアフローのために増設したはずのファン同士が、互いの吸気を奪い合うレイアウト。
1年使った結果、夏場にGPUが92℃まで上がってサーマルスロットリング、最終的にGPUファンが死亡。修理費6万。フルカスタマイズしたから、組み立てラインの工員が「いつもと違う構成」を慣れない手つきで組んだ結果、品質がボロボロだった、というオチだ。



えっ、カスタマイズしまくった方が、組み立て品質も上がると思ってた…



逆だ。標準は工員が毎日100台組んでて手が完全に覚えてる。フルカスタマイズはイレギュラー対応。慣れてない作業=配線も雑になりやすい。これが現実だ。
そのまま買う前に「ここだけは見ろ」3項目
ここまで「そのままでいい」「いじるな」と連呼してきたが、完全に丸投げするのは無責任だ。標準で買うとしても、3項目だけは目視で確認してほしい。逆に言えば、この3項目さえ確認すれば、それ以外は本当に何もいじらなくていい。
搭載GPUの推奨電源容量を満たしているかチェック。足りていればそのまま、足りなければ電源だけカスタマイズで上のグレードに。
標準1年。延長保証は数千円の小さな出費で、3年安心が買える。これは数少ない「カスタマイズしてもいい項目」。
普通の人はWindows 11 Home でOK。手持ちのOSライセンスがあるなら「OSなし」を選んで節約も可能。
① 電源容量 ── 標準でも足りているかだけ確認しろ
BTOで一番事故が起きやすいのが、ここだ。GPUの推奨電源容量を、標準構成の電源が満たしているかどうか。大手メーカーはたいていクリアしているが、たまに「攻めた」ギリギリ構成のモデルがある。これだけは、商品ページの仕様欄でチェックしてくれ。
| GPU | 推奨電源容量の目安 | 標準で足りていれば |
| RTX 4060 | 550W〜600W | そのままでOK |
| RTX 4060 Ti | 600W〜650W | そのままでOK |
| RTX 4070 | 650W〜700W | そのままでOK |
| RTX 4070 Ti / SUPER | 700W〜750W | そのままでOK |
| RTX 4080 | 750W〜850W | そのままでOK |
| RTX 4090 | 850W〜1000W | そのままでOK |
注意してほしいのは、この数字より大きい電源を「念のため」で選ばないこと。標準で足りていれば、それ以上は俺の最初の失敗(850W電源で1万円ドブ)と同じ道だ。
② 保証 ── 標準1年。延長3年に変えるかだけ判断しろ
BTOの標準保証は1年が多い。延長して3年にすると、メーカーや機種にもよるが、5,000〜15,000円程度の追加で済む。これは、カスタマイズの中でも「金額対効果が一番高い」項目だ。
ゲーミングPCは年中フル稼働するから、3年目あたりからGPUのファンが死んだり、SSDが寿命を迎えたりする。修理費は最低でも3〜6万。延長保証を1万円で買えるなら、保険として割が合う。俺がBTOで唯一「カスタマイズしてもいい」と言える項目は、これだ。
③ OS ── Home/Pro どちらか/なしか
OSは多くの場合、Windows 11 Home が標準で入っている。一般的なゲーム用途では Home で何の問題もない。Pro が必要なのは、リモートデスクトップで外から接続したい人や、仮想環境を本格的に使う人くらいだ。
もしすでにWindowsのライセンスを持っているなら、「OSなし」を選んで2万円前後を浮かせる選択肢もある。ただし初心者には絶対におすすめしない。OSの再認証で詰む可能性があるからだ。普通の人は標準のまま Home でいい。
- 電源容量:搭載GPUの推奨容量を満たしているか
- 保証:1年でいいか、3年延長するか
- OS:Home が標準。基本は触らないでいい
この3項目以外は、本当に触らなくていい。むしろ触る方が、地雷率が高い。
カスタマイズ「しない」「した方がいい」の境界線
「全項目そのままでOK」と言いきると嘘になる。触らない方がいい項目と、人によっては触った方がいい項目を、はっきり分けておく。下の表で、自分が該当するかチェックしてくれ。
触らなくていい項目(むしろ触るな)
| 項目 | 判定 | 理由 |
| CPU | 触るな | そのモデルのGPUに合わせて最適化済み。盛ってもボトルネックは変わらない |
| GPU | 触るな | 触るくらいなら、最初から1つ上のモデルを買え |
| CPUクーラー | 触るな | 標準で適切な冷却力。盛っても体感差はゼロ |
| ケース・ケースファン | 触るな | 標準のエアフロー設計に合わせて動作確認済み |
| マザーボード | 触るな | 初心者がいじっていい場所じゃない |
| 無線LAN | 触るな | 有線LAN推奨。必要なら2,000円のUSB Wi-Fiで足せる |
| 水冷化 | 絶対触るな | 俺のRTX 2080を返してくれ |
触った方がいい人もいる項目
| 項目 | 触る/触らない判断 | 判断基準 |
| メモリ 16GB→32GB | 配信・動画編集する人だけ触る | ゲームのみなら16GBで十分 |
| SSD 500GB→1TB/2TB | 大量にゲーム入れる人だけ触る | 後から増設も可能 |
| 電源容量 | 標準で足りない時だけ触る | 足りていれば絶対触らない |
| 保証延長 | 触るのアリ | 3年延長は割に合う |
| HDD追加 | 動画素材を大量に保存する人だけ | ゲーマーには不要 |



俺、配信もしたいんだけど、なら何盛ればいいの?



配信するならメモリは32GB、SSDは1TB。それと延長保証。盛るのはこの3つだけだ。それ以外は触るな。
メーカー別「標準構成の質」傾向
標準構成といっても、メーカーによってクセや得意分野がある。「そのまま買う」を前提に、各メーカーの標準構成の傾向を頭に入れておくと、自分に合うメーカーが選びやすい。
GALLERIA(ドスパラ)── 即納強者、コスパで標準が強い
GALLERIAは即納モデルが豊富で、しかもその即納モデル=標準構成の状態で出荷される。つまり「カスタマイズしないで買う」を一番素直に実行できるメーカーと言っていい。価格も同価格帯で見ると、GPUグレードに対する価格設定がシャープ。
注意点は、ケースファンが標準で少なめなモデルがあること。夏場の通気が気になる人だけ、ファン1基追加を検討する余地がある。が、ほとんどのモデルでは標準で問題ない。
G-Tune(マウスコンピューター)── 国内生産、標準で安心
G-Tuneは国内生産で、標準構成の組み立て品質が安定している。静音設計や耐久性を重視している傾向があり、「ゲーム以外の作業もする」「家族と同じ部屋に置く」みたいな用途に合う。サポート対応も電話・チャットともに評判が安定しているので、初心者が「標準+延長保証」で買うと、トータルの満足度が高くなりやすい。
LEVEL∞(パソコン工房)── パーツ単品も売る店だけあって構成が堅実
パソコン工房は、自作向けのパーツ単品も売っている店だから、BTOの構成も堅実。「奇をてらわず、正攻法」のパーツ選定が多い。セール時期に標準構成のコスパが化けるので、急いでいないならセールを狙ってそのまま買うのが王道だ。ケース内のスペースも広めで、後から増設したい人にも向いている。
FRONTIER ── セールが鬼。標準構成のままセール狩りが正解
FRONTIERはセールが頻繁で、しかも値引き幅が大きい。このメーカーに関しては、カスタマイズ画面に進むより、セール一覧を眺めて「これだ」と決めて、そのまま注文するのが正解。セール対象機は標準構成での販売だから、いじった瞬間にセール価格が消える、なんてことも起きる。



メーカーによって、標準構成のクセが結構違うんですね。



そう。だからこそ「どのメーカーの標準構成が、自分の用途に合っているか」で選ぶのが筋だ。カスタマイズで合わせ込むより、最初から相性のいいメーカーを選べ。
そのまま買うのが向いている人/向いていない人
誠実に書く。「全員そのままでOK」と言うつもりはない。カスタマイズしないでそのまま買うべき人と、ある程度カスタマイズした方が幸せになれる人は、分かれる。自分がどちらか、確認してくれ。
そのまま買うべき人
- ゲーミングPC初心者・初購入の人
- 予算を絶対オーバーしたくない人
- 納期を1日でも早くしたい人
- 配信や動画編集をする予定がない、ゲーム専用機が欲しい人
- 増設経験が少しある中級者(足りなくなったら自分で足せる人)
- カスタマイズ画面で1時間以上フリーズしている、決断疲れの人
カスタマイズした方がいい人
- 配信者・動画編集者(メモリ32GB/SSD 1TB は確保したい)
- 大容量MMO・MOD大量導入派(SSD 2TB はあった方が楽)
- ゲーミング以外に3DCG・AI画像生成などをやる人
- 水冷ケースや特殊ケースなど、見た目に強いこだわりがある人
- 自作経験者で、自分の用途と必要スペックを正確に把握している人
自分が下のリストにバッチリ当てはまる場合は、ピンポイントで該当項目だけ盛ればいい。それ以外の項目は、上のリストの人と同じく「そのまま」が正解だ。「自分は中途半端にゲームしかしない」と思った時点で、お前は完全に上のリストの人間だ。胸を張って標準構成を選べ。
そのまま買って後悔した人/満足した人のパターン
俺自身が15年、自作仲間や読者、レビュー投稿者の声を観察してきた中で、はっきりパターン化できる成功と失敗の典型を紹介する。「そのまま買ったから後悔した」と「そのまま買って正解だった」、その違いはどこにあるのかを見極めてほしい。
そのまま買って後悔したパターン
後悔したパターンの典型を3つ挙げる。
- 用途に対してGPUグレードが低すぎるモデルを選んだ:「フルHDでApexやりたい」と言いながら、RTX 3050モデルを選んだケース。これはカスタマイズの問題ではなく、そもそものモデル選びの段階での失敗。
- 電源容量がギリギリのモデルを選んだ:標準電源がGPU推奨ギリギリのモデルで、後からGPU換装したくなった時に詰む。
- セール価格に釣られて、用途に合わないハイエンド機をそのまま買った:オーバースペックで、フルHDモニターしか持っていないのにRTX 4080。宝の持ち腐れの典型。
気づいたか?「そのまま買ったこと」が原因で後悔したケースは、実は1つもない。原因は全部、「最初のモデル選びを間違えた」ことだ。だからモデル選びさえ正しければ、そのまま買って後悔する確率はゼロに近い。
そのまま買って満足したパターン
逆に、そのまま買って大満足したパターン。これも典型例。
- 「フルHD・144fpsでApex」と用途を決めて、RTX 4060 Tiモデルを標準のまま発注 → 3日後に到着、その日からApex 144fps安定。
- 「WQHDでFF14」と用途を決めて、RTX 4070モデルを標準のまま発注 → 平均120fpsで動作、グラフィック設定最高でも余裕。
- 1年使い込んでから「そろそろストレージ増やしたい」と感じて、自分でM.2 SSDを増設 → コスパ最強で容量2倍。
共通点は、「自分の用途を最初に明確にして、それに合うGPUグレードのモデルを選んだ」こと。あとは標準のまま買って、必要に応じて後から増設していく。これが、後悔しないBTO購入の黄金パターンだ。
「そのまま買ったから後悔した」のではない。「モデル選びを間違えた」から後悔したのだ。
正しいモデルを選び、標準のまま買い、足りなくなった部分だけ後で足す。これが最短ルート。
そのまま買う前のよくある質問(FAQ)
BTOを標準構成のまま買おうとしている人から、ほぼ100%聞かれる質問をまとめておく。買う直前の最後の不安を、ここで全部消してくれ。
- 標準のメモリ16GBで足りますか?
-
ゲームをするだけなら16GBで完全に足りる。Apex、原神、FF14、Steamの主要タイトルどれも問題ない。配信や動画編集を本格的にやるなら32GBが欲しいが、それは「いつか始める」ではなく「今すぐ始める」人だけの話。後からメモリは1万円台で増設できるので、迷ったら標準のままでOK。
- SSD 500GBで足りますか?
-
正直、最近のゲームは1本100GBを超えるものもあるので、500GBはちょっと心細い。とはいえ、ApexやLoLなど軽めのタイトル中心なら2〜3年は持つ。後からM.2 SSDを増設するのも簡単なので、今焦って盛らなくていい。
- 標準のケースファンで夏場大丈夫?
-
大手BTOの標準ケースファンは、室温30℃想定で動作確認済み。夏場でもサーマルスロットリングが出るほど熱くなることは、まずない。心配なら夏前に1,500円のケースファンを1基追加するだけで余裕で対応できる。
- あとからメモリ・SSDを増設できますか?
-
ほぼすべてのBTOで、メモリの増設スロットとM.2 SSDの追加スロットが空いている。プラスドライバー1本で完結する作業で、自分で30分もあれば終わる。YouTubeに増設動画が大量にあるので、初心者でも問題ない。
- 標準構成だとゲーミングPCの寿命が短くなりますか?
-
ならない。むしろ標準構成は故障率が低くなるように設計されている。寿命を縮める要因は、カスタマイズの有無ではなく「ホコリ放置」「真夏の高温運用」「配線の悪さ」など別の要素。GPUグレードに合った標準構成なら、5〜7年はゲーム機として現役で戦える。
- ゲーミングPCの電気代ってどれくらい?
-
ミドルレンジ(RTX 4060〜4070)で1日2〜3時間ゲームする使い方なら、月の電気代増加は数百円〜1,500円程度。「ゲーミングPCは電気代がヤバい」という噂は、ハイエンドを24時間稼働させた極端なケースの話だ。普通の使い方なら、思ったほど跳ね上がらない。
- 保証は標準1年でも大丈夫?
-
初期不良が出るとしたら最初の数週間〜数ヶ月で出るので、1年保証でも最低限はカバーされる。ただし3年目以降の故障リスクを考えると、5,000〜15,000円で延長3年に変えるのは費用対効果が高い。これだけはカスタマイズしてもいい項目。
補足:BTOで使われる用語の超ざっくり解説
BTO:Build To Order の略。注文を受けてからメーカーが組み立てるPC販売方式。
標準構成:BTOメーカーが基本ラインナップとして提示している構成。
即納モデル:すでに組み上がった在庫があり、注文後すぐ出荷されるモデル。多くは標準構成。
サーマルスロットリング:CPU/GPUが高温になりすぎて、性能を自動的に落として温度を下げる現象。
VRAM:GPUに搭載されているメモリ。高解像度・高画質ほど必要。
ボトルネック:システム全体の性能を制限している、最も遅い部品のこと。
まとめ ── いじらない勇気を持って、注文ボタンを押せ
15年、自作とBTOの両方で散財しまくった俺が、最後にたどり着いた結論は、シンプルだ。
BTOゲーミングPCは、カスタマイズしないでそのまま買え。標準構成は、メーカーが一番自信を持って組んでいる、一番故障率の低い、一番納期の早い、一番トラブル時のサポートが効く構成だ。「いじらない=負け」じゃない。「いじらない=賢い」だ。
その代わり、注文ボタンを押す前に、3項目だけ確認してくれ。
- 電源容量:搭載GPUの推奨容量を満たしているか
- 保証:標準1年か、延長3年か(延長は費用対効果アリ)
- OS:Windows 11 Home が標準。基本そのまま
この3つさえ確認すれば、それ以外は本当に何もいじらなくていい。メモリやSSDが足りなくなったら、半年後・1年後に自分でこっそり増設すればいい。カスタマイズは、買う前にやるんじゃなくて、足りなくなってからやるのが一番賢い。



つまり、まず用途に合ったモデルを選んで、電源・保証・OSの3項目だけ確認したら、あとは標準のまま注文ボタンを押せばいいんですね。



そういうことだ。3週間悩んでた決断が、3分で終わるだろ?それが「いじらない勇気」のリターンだ。
カスタマイズ画面で1時間も2時間もフリーズしているお前へ、最後にひとつだけ伝えたい。
カスタマイズ画面のタブを閉じて、即納モデル一覧に戻って、用途に合ったGPUグレードのモデルを選んで、「カートに入れる」を押せ。それでいい。それが正解だ。